診療案内

MEDICAL

認知症

認知症

早期発見・早期介入

全ての人の認知機能は年齢とともに低下しますが、それが社会生活を送るうえで支障が出る程度となったときに認知症と診断されます。一度低下した認知機能を元に戻すことは困難で、できる限り早い時期に認知症に気づき、薬物療法や脳トレなどによって、その後の認知機能の低下のスピードを鈍らせることが大切となります。養老整形外科クリニックでは予防と早期の悪化予防に力を入れています。

気付きが大切

ご本人が少しでも物忘れが気になったり、ご家族が、「同じ話を繰り返す、約束を忘れる、小銭があってもお札で支払う、話についていけない、好きだった趣味を止めてしまう、やる気がなくなる、怒りっぽくなる」など、様子が何か少し変、と感じることがあれば、とにかく早めに診察の際や介護・物忘れ外来でご相談ください。

入り口で止めるために

正常→MCI(軽度認知障害)→認知症 と進んでいきます。MCIまたは認知症が軽度の段階までに対応を始めることが大切です。そのためには、生理的な物忘れなのか認知症による物忘れなのかを、診察や認知症のテスト、そして日常生活の状況を確認して診断することが必要です。

どんな検査をするの?

1.問診:ご本人からのお話だけでなく、ご家族などからの日頃の生活に関する情報がとても重要です。
2.認知機能と日常生活の検査:MMSEとDASC-21というお話を聞くだけの検査を行います
3.認知症が疑われる場合:脳のMRI検査と血液検査を行います。これは水頭症や甲状腺機能低下症など「治せる」認知症があるかの検査です。脳MRIでは同時にVSARADという処理も行い、記憶に係る部分の脳がどの程度委縮しているかを調べます。

治療とケア

1.アルツハイマー型認知症などと診断された場合:脳活性化トレーニングとともに認知症の進行を緩やかにする薬(アリセプトなど)を投与します。
2.脳血管性認知症の場合:高血圧症、脂質異常症、糖尿病、不整脈などをコントロールし、脳血管疾患のリスクを下げることも大切です。
3.ご家族など周囲の方々の認知症に対する理解を深める:認知症で周囲の方々が一番大変となるのは行動・心理症状(興奮や暴力、不安、無気力、妄想、幻覚、睡眠障害など)です。その多くは、周りの方々が認知症を正しく理解し適切に対応することで予防や改善が可能です。
4.家族だけで悩まない:認知症の方はチームで支えるのが大原則です。医療や介護関係者などの専門職集団と地域の方々とともに、役割を分担し助け合いながら認知症の方とその家族を支えていきます。

みんなで支える

1.医学的治療:医師、看護師が中心となってクリニックで行います。
2.介護保険の利用:介護相談センターかがやきのケアマネジャーが、介護申請のお手伝い、介護サービスの説明をし、必要なサービスをご本人、ご家族と相談して決めます。
3.在宅のサポート:独居などで自宅での生活に不安がある場合は、看護師が訪問し、健康状態の観察や服薬の管理・指導などを行います。
4.デイサービスでの脳トレ:きたえ~る かがやき で、コグニサイズを中心とした独自の脳活性化プログラムを楽しく行っていただきます。たくさん笑って、脳が元気になっていきます。
5.チームとしての連携:医師、看護師、ケアマネジャー、介護福祉士などがチームとなり、リアルタイムで情報を共有し、問題点を把握し、チームとして早期に解決を図ります。
6.ニコリン会:2か月に1度、認知症の方とその家族、地域の方々が集まって、介護や認知症について勉強するとともに、介護者の悩みや喜びを互いに話し合います。

治療とケアの例

Aさん 90歳 女性 独居 アルツハイマー型認知症と診断され投薬が開始された。介護相談センターかがやきで介護申請を行い、訪問看護、デイサービスを利用することとなった。月に1回クリニックで診察を受ける際は訪問看護師が日頃の体調などを医師に報告し投薬の内容が調整された。転倒して骨折した際、医師はケアマネジャーと デイサービス にすぐに連絡し、今後の日常生活、リハビリやケアの注意点について話し合った。